東野圭吾「聖女の救済」読了。


後だし雰囲気もないではないですが(笑)、王道ミステリィでしたね〜。
本文378頁の内、湯川の登場は122頁目!
これは探偵ものではなく刑事ものです。
謎解きも刑事達の奔走が土台になっているから好き。
トリックもまあ満足。


それにしても、湯川先生が草薙刑事を信頼しているのが、
不思議であり、未だ湯川の性格が掴めない一因でもある・・・。
ああいう信頼の仕方をするキャラに見えないんだよナ。
だって、Aという可能性が僅かでもある内は、Bという判断は下さない人だし。
少なくとも、そういう設定っぽく書かれてるし。(笑)
でも湯川先生は草薙刑事を信じている。
そして『信じている』と本人に言っている。(←言うか言わないかの差は大きい・・・。)


草薙刑事がそういうことをしない、とは誰にも言い切れないじゃん?
「容疑者Xの献身」の犯人なんかはさー・・・アレでソレじゃん?
まあ、草薙に対する牽制かもしれないが、
数少ない友人に向かって、そういう牽制をするほど湯川の人格は崩壊していない。
逆に、湯川の人格が崩壊するのは、草薙刑事が湯川の信頼に反した時だと私は思う。
研究者としての湯川には影響しないだろうが、
人間としての湯川は取り返しがつかなくなる。きっと!


そういう物凄く危うい部分で、オノレの人間らしさを支えないでくれ!と
湯川に願う日々であります。
というモノ書きの遊びであります。
楽しいです。


内海刑事がいないと、きっと倍のページ数が掛かっただろうなァ・・・と思わせる展開。
ドラマのオリジナルキャラだったくせに・・・
ドラマの時もそう役に立っていた訳じゃないのに・・・
すっかり話を転がすのに便利なキャラとなりおって。
このねじれ感が面白い。実に面白い。