恩田陸「エンド・ゲーム 常野物語」読了。


「光の帝国」のなかの「オセロ・ゲーム」の続編。
『裏返す』『裏返される』という表現が面白い。
結局それがなんなのかに言及しないまま、話がすすんで行くのも恩田らしい。(笑)


恩田は世界観を作るのが上手い。
ちょっと不思議な設定・もしくはその土地の歴史・・・とガッツリつくる。
これを箱庭が上手いと評しましょう。
普通なら、読者の目を気にしながら、冒頭で説明をするもんです。
「この箱庭はね、ここに山があって川があって、こんな歴史があって・・・」ってな感じで。
しかし、恩田の場合、
「この中にね、母子家庭がいて、その娘が今大学生でね、」って話し始めるのです。
オイ!箱庭の説明はどうした!ってなるんですけど、
俯瞰から世界を語らないので、いきなり箱庭の中に自分が放り出される感じ。
登場人物と同じ視線の高さで、恐怖も驚愕も感じるのが面白い。


そして、ラストになると主人公すら突き放して行く物語が好き。
物語が主人公たちを置いて行くんだZE!?
ラストの方の語り口が、物語中程から登場してきた謎の男になり、
最後は脇も脇役の男が話を締めるんだZE!?
そんな最後なのに、読んでいる最中は面白いんだZE!?
こういうのはウッカリ次を読みたくなるのよネ・・。
次は、伊坂を挟んで、常野物語シリーズの2作目だ〜。