恩田陸「三月は深き紅の淵を」読了。


いやー・・・。凄いわ〜。恩田凄いわ〜。
お話は幻の本に纏わる四部構成のお話なのですが、
とにかく構成が素晴らしい!


丁度マトリョーシカを内側から見ていくような感じなのですが、
最初、例えばドードー鳥 の絵が描いてある人形が見える。
どうも外側にもう一個同じような人形がありそうだぞ、となって
このお話がマトリョーシカ式なことに気付く。
でもいざその一個外側に出ると書いてある絵はトカゲ。
あれ?形は似てるけど違うものなのか、と更に外側に出ると
ウサギの人形になっていて、ああアリスなのかと気付く感じです。


高い知性を持った人が、高い技術を持って書いたお話。
マトリョーシカと気付いてからも、
外側にいくつ人形が重なってるか、判らないんですよ。
さらに以前読んだ「麦の海に沈む果実」にも繋がり、
世界が無限に広がっていく様に、そこら辺をゴロゴロ転げたくなります。


も〜幸せだわー。
こんなものを書く人がいる事が幸せ。
前知識もなく、ただただ美しい構成を素直に楽しめた幸せ。
友人よ、ネタばれせずにいてくれてありがとう・・・!
で、薦めてくれた恩田の本はなんだっけ・・・・?(酷)