恩田陸「ユージニア」読了。


まずはブックデザインが素敵。祖父江さんらしいなあ。
そして内容。
17人が毒殺された事件を、何人かのインタビュー形式で書かれています。
だから、その人の主観と憶測に過ぎず、むろん偏った見解もあり。
沢山のピースが繋がりあって、
読んでいる内に頭の中に事件の全容が形作られるのですが、
それはやはり私の偏った主観でしかなく・・・。。
「事実」ってモノに対する不安定感が非常に良く表現されています。


恩田陸は頭いいなあ・・・・。
形にならないものを残すのが本当に上手いです。
雰囲気がいいのですよ。
何はなくとも、なんとなく怖い空気観。(笑)


明確に謎解きがされないと気がすまない方にはお勧めをしませんが、
恩田陸は、女性作家にありがちな短所が少なく、
女性作家の長所が最大限に発揮されている作家さんだと思う。
上手い女性作家さんは、大抵非情で大好き。
久しぶりに睡眠時間を削らされた本でした。
続きが気になってなかなか中断できなかった・・・。