映画「スカイ・クロラ」鑑賞。


・・・・・なんていうカメラワークなんだ−!!!!
空中戦のカメラワークだけで、度肝を抜かれました。


押井作品を見たのはコレが初めてなんです。
どちらかというと、小説の「スカイ・クロラ」が大好き。
数ある森作品の中でも、なんだか酷く衝撃を受けた作品。
プロペラが後ろにつくプッシャーのカッコ良さに惚れた。
映画も、森博嗣の"表層ドライで深層ウェット"な感じがそのままで、
それはもう大変嬉しかった。


そして押井マジックが!!
この映画、セリフの言葉数は非常に少ないと思う。
空中戦以外、人物達は派手な動きをしないし。
(アニメーション的には冗談のように動いていますが。)
意識にのぼる情報は決して多くない。


なのに、このお腹いっぱい感はなんですか!
意識にのぼらない情報が半端なく多い!!!ギッチギチな密度ですよ!
例えば照明の明度。例えば煙のたなびき方。例えばその場面の天気。
ストーリィ追っかけて見てる時に、そ〜んなものを気にする方が変な訳で。
だけど、一個一個がしっかりと完成されていれば、
見終わった後に、どっしり残るんですよ。
脳みそはちゃんと受け取っている。


素晴らしい作品だと思います。
簡単な感想を書かせてくれないところが、作品の力を物語っていると思います。
作品の「言いたかったこと」はセリフとして出ている所だけじゃないな。
判りやすい作品でないからといって、私たちは慌てる必要はないのですよね。
今はただ、この病的なまでのナニガシかに酔いしれたい。


追記:
最後、字幕が「ティーチャー」で、
英語発音が「father」だったように思ったのですが、
(耳には自信がないので不確かです)
だとしたら、鳥肌がたつ演出ですね。