大学同期の友人とその旦那さんとで文楽を見に行ってきました!
演目は近松門左衛門の「心中宵庚申」と今昔物語題材の「狐と笛吹き」。


歌舞伎なんかでもそうですが、芸としての美しさに酔いながら、
人物やストーリィへの突っ込みを絶えず入れて鑑賞しています。


そもそも、歌舞伎も文楽も正座フラグが良く立つんですよ。
「あなたを愛している!でもあの方への恩義もある!よし一緒に死のう!」
・・・みたいな展開。「はい説教します!お前らソコ正座っ!!」って言いたくなる。
それが正座フラグ。今回もいっぱい立った。(笑顔)


「狐〜」では、女性に化けた狐と楽師が恋に落ちるんですね。
でも、異類な二人が契りを交わすと、お互い死んじゃうらしいと。
ならばと楽師は「私たちは兄妹だ。ずっと清らかにいようね。」と誓うのです。
で、夏から秋へと変わり(暗転して明転しただけだが)、酔っ払って帰ってくる楽師。
笛の音が濁ったと先生に怒られたと。それはアナタと夫婦になれない切なさからだと。
「私はもう我慢が出来ない!私はお前の体が欲しい!!」(←注:本当に言った。)


コラコラコラ!!
暗転したらリセットされるのか笛吹き!
その場のテンションで喋る男め!


大笑いでした。笑ってしまったお客様が何人も。
(舞台は大真面目に進んでおります。)
その後も笑いを堪えるのが大変な内容でして・・・。


それはそれとして、使われている芸は感動ものです。
何人もの太夫が声を合わせて盛り上げていく場面は大迫力でした。
思わずイヤホンガイドを外しますよ。両耳で余すことなく拾いたくなる。
人間国宝人形遣いさんが出た「心中〜」も素晴らしかった。
顔出しをして操っていても、記憶に残るのは人形だけってところが。
(たまに、人形よりも記憶に残る遣い手さんがいる。)


芸・内容ともに大ヒットの文楽鑑賞でした。
歌舞伎も文楽も、芸を特化させたせいで、何かが捩れちゃった訳ですよね。
話だったり、リアリティだったり。最たるものは黒子の存在ですが。
そういう捩れが、とってもエキサイティングだと思います。