有栖川有栖「女王国の城」読了!
江神シリーズ第四作!
待ちに待ったよ!十年待ったよ!!
いつの間にか江神さんの年齢を追い越していて、かなりビビッたよ!


第一作「月光ゲーム」は謎も王道。
作者自身の若々しさに少し照れながら読んだ。
第二作「孤島パズル」は夏の冒険の要素も加わって
謎も舞台も楽しかった。
そして第三作「双頭の悪魔」。
トリックも小物も人物たちも存在感があった。
探偵役の江神二郎の人となりも垣間見え、
読み手に興奮させる勢いがあって、今でも大好きな一冊。


三作目から十五年が過ぎ、作者も五十歳に近くなった。
何もかもを引っ張っていく文章の体力って言うのか、
そういう物があの時のようにはいかなくなったのかな、
と読み終わってちょっと思った。
でも。


私は江神さんにまた会えて、それだけで凄く凄く嬉しい。
江神さんはなんだか現実の輪に上手く入れない。
でもその入れずにいる現実をとても愛おしんでいる。
そんな彼が大好きで、そんな彼を慕っている登場人物たちが大好きです。
次がいよいよ長編最後の第五作目。
また十年だって十五年だって待ちますよ。
まあ予想はあるけど・・・
どうか江神さんにとって救いのある結末が訪れますように。