映画『重力ピエロ』鑑賞!
思い入れのある作品の映画化はドキドキします・・・。
ああ、でもそうね。
話が上手くまわるように設定も工夫して変えてあった。
キャスト陣も素晴らしかった。
この作品に対する愛も伝わった。


だからこそ改めて判った。
この小説のプロットの美しさが。
あらすじだけ話しても、面白さがまるで伝わらない。
幾つものエピソードがそれは美しく絡み合って、
まるで一本のシンプルなラインに見せかけている小説なんだよ。
瑣末なエピソードが削られると、奥行きと深みが少しずつ削られる。
しょうがない。これは、奇跡の様な小説だから。
作り手の意思を超えた問答無用の名曲がふと生まれるように、
小説にもそういうのがあるんだと思う。
読み終わった時の、衝撃は凄かったなー。
若い時に読めて幸運な一冊。


それにしても、泉水と春のひょろナガ兄弟よ。
長い!!長いよお前ら!
二人して座ったときに膝の位置がおかしい!
春からの電話に出る時のカセリョーの「なに?」の言い方もめっちゃかわいい。
泉水は原作よりヘタレでしたねー。
春の浮世離れした感じも、ネガティブな要素も、
無条件に兄貴が大好きな感じも、よく表現されていて、すごく嬉しい。
京香母さんも、出ている時間が短いのにも関わらず、
その役のキャラクターを鮮やかに画面に残していくし。
ってか、子役がすごい頑張ってたと思うんだけど!特に春役の子!
久しぶりに、「ああ、この子がおっきくなったら、あの男になる!」と思いました。
目が似てる。視線の強さが。


なにかを急かさない映画で、それはとても良かったです。
あの話の、春の最後の選択だけは、やっぱ変えちゃいかんよね。
仙台はいいな。空気が澄んでいて、色が濃く見えないあの感じ。
また行きたくなりました。あそこで二週間ぐらい過ごしたい。