「巨匠ピカソ 魂のポートレート」展に行ってまいりました。
in サントリー美術館。初東京ミッドタウン


前に青の時代の自画像をTVで見たことがあって。
あの青に度肝を抜かれて、ずっと本物が見たかった。
4年前に家族でパリに行ったときも、
別行動してまでピカソ美術館に行ったんですが、その時には展示されてなくて。
すっごい残念で、しょんぼりしながらその絵のポストカードを買ったんですが。
それが!来た!日本に来た!!
お会いしたかったです!アナタに!


ピカソが20歳ぐらいの時に、
親友が悲恋の末にピストル自殺しまして、
その後しばらく暗い青で絵を書いていたんですね。
これを「青の時代」と呼ぶそうです。向こう側の絵が多くて怖いんですが。
自画像は青の時代の代表的な作品なのです。
展示室入ってすぐの所にかかっておりました。


私が見たかった青。
谷川俊太郎さんの詩に
“からだの中に 深い叫びがあり 口はそれ故につぐまれる”
という一節があるのですが、正にそういう青色。静寂と雄弁の青。
この目で本物を見れた。夢が叶った。


展示のラストに、晩年に描いた自画像がありました。
これがもう青の時代の自画像と対照的な絵で、
白いキャンバスに簡略化された線で描かれたのみ。
うん。この絵は私にはまだ理解できない。
私が80歳・90歳になったら判るかもしれない。
半世紀後にお会いしたい絵に出会ってしましました。


ピカソは好き。
10代の頃の絵を見るとピカソ像が変わります。
20歳前にこの絵が描けたんなら、ゲルニカ的な表現方法にいくのも判る。
この人は絵描きじゃなく表現者だったのだろうと思う。