映画「ザ・マジックアワー」鑑賞。


三谷さんが体を張って宣伝しているものだから、
思わず見に行ってしまった。


主人公を騙して殺し屋を演じてもらうというお話だから、
映画という虚構の中にリアルと嘘が入り混じるのです。
しかも観客はそのズレを客観的に見て笑う映画。
この微妙なズレを生み出す芝居が上手い。


特に三谷さんは、
「ああ・・・なんということだ!」みたいなテンションと、
「なんかゴメンね★」みたいなテンションが同居することで
得られる笑いを作る。
だから、役者個人に割り振られたレベルというかテンションを
ずーっと一人保ち続けなきゃいけない。
勿論、映画全体の芝居は統一させなきゃいけない訳で。
今回それが絶妙のチューニングで成り立っておりました。
高度な演技が見れて幸せです。


役者も無駄に豪華〜。あ!山本コウジが出てる!


そして映画タイトルの『マジックアワー』。
世界が最も美しく見える時間帯。
逃しても逃しても次のマジックアワーはどんな人にも訪れる。
・・・って言われると、それを待ち続ける人生ってどうなの?!と思いもしますが、
これを喋るおじいちゃんがカッコ良かったので良し。
映画館のシーンでは泣きました。


観客がいることを前提にしている映画です。
鑑賞している私の心構えが舞台と同じでした。
舞台から観客席側にアピールが飛んでいる感じ。
よって、映画の世界と同化する感じはないかな。
話があるべき場所にきちんきちんと収まっていくので、
大変に気持ちの良い話でした。
最後、にんまりしている綾瀬が好きです。