椰子の実ひとつ。

「終戦のローレライ」読了。


最初は、福井氏の"後出し文章"に慣れなくて(同族嫌悪/笑)
すこしばかり苦労しましたが、
ローレライの正体が判明してからは一気です。
兄妹関係に関係に弱い私は、
エブナー兄妹にハンカチが絞れるほど泣かされました。
後半150頁ぐらい、時間にして3〜4時間は泣きっぱですよ。
今朝の自分の顔の酷い事。酷い事。


タイトルに「終戦の」と付いたからには
沢山の登場人物が死ぬであろう事は覚悟しながら読み始める。
それでも各々が笑ったり怒ったりしながら
何かに誠実に生きようと足掻く姿を見れば、
生きのびて欲しいと願わずにはおれない。
それが無理なら、せめて悔いのない最期を、と
祈るようにページを捲っていくのです。
もうそこまでくれば悲しいから泣いているのではなくなる。


どうしようもない状況を嘆いてるんじゃないと思う。
どうしようもない状況下での人の内面に
時として涙が止まらなくなるのです。


悲しみではない涙を流してしまうような、
そんな話を私も書きたい。